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| 坑夫
なかに二人、ひげの男とやせた男、故郷を思い出し、帰っても一人ぼっちだが、やはり帰りたいと。だがくにに変えれば、すぐ赤いレンガの牢屋へぶち込まれてしまうと。二人はこの荒野っ原で暮らそうと話し合う。 やがて坑夫たちが、めいめい故郷へ帰ってしまうと、この町も火事か地震のあとの様にひどく荒れて、消えていった。二人の男も明日は北のほうへ立とう。奴らは南、俺達は北かと言っていた。 次の朝、やせた男はうつうつした顔で車の音を聞いたように思った。夢だったかと再び寝ようとした時、今度ははっきり、車の輪の音、馬の蹄鉄の音を聞いた。一台の荷馬車が朝もやの中を南の方へ消えていく。行くなら今だと、やせた男はそっとぬけ出そうとした。 ひげの男は、「お前、帰りたくなったのか」しかし「お前を待っているのは暗い牢屋と人々の冷たい眼ばかり、この広い野っ原に俺達の大きな自由があらあ。北へ行こう。氷の中にエスキモーがいらあ」と。しかしやせた男は、「俺は人間のいる所へ行きたい。人間の顔が見たい。人間の声が聞きたい。」と言い、「つれて行ってくれ」と荷馬車を追いかけた。 その日の午後、車を止めて休んでいる荷馬車を追ってくる人影が見えた。ひげの男だ。人々に追いついた時、泡を吹いて、顔は土色になって倒れてしまったが、「俺も人間のいる所へ行きたい。人間の声が聞きたい」と言うのだ。
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