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| 貧乏な少年の話
大作君は、己の貧乏を数え上げた。家には子供が多すぎる。だから名前は四人目からは番号式だ。服や帽子や靴や教科書は、一人ひとりに買わずに上から下へおろされていく。弟たちのくせもいろいろだが、西瓜の皮を紙のようにうすくまで食べるというように、どれも貧乏ったらしい。 井戸端でお母さんが、赤ん坊をビール箱に入れて洗濯をしていた。これが乳母車の代わり。八つぐらいの男の子が、すり切れたほうきであやしている貧乏な景色である。お父さんは屋根職人だが、仕事のないとき、百姓仕事の手伝いにいく。畠を麦の束をかついで走っている。早く仕事をして、次の仕事で一線でも多く儲けたいためだ。何とも悲しい眺めである。 大作君は、貧しさを恥ずかしがり、意気地がなくなってしまった。いけないことに、自分の家、弟や妹、父や母にまで他人のように冷淡な目で見るようになったのだ。 そして、これが怒りにさえなっているのだ。 大作君たちは、町の公園グランドでの連合競技会で綱引競争をした。必死で頑張って、優勝したかにみえたが、吉太郎君が落伍していてそれを逃した。しかし、大作君は、吉太郎君を許し、己の頑張りに自身を持った。やがて貧乏を恥ずかしがることはないという心境になっていった。 幸助の拾ったキャラメルの空き箱が廃品の献納への協力とわかって、その心は明るくなるのだった。
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