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| 花を埋める
「ようしか」と鬼、「もうようし」と合図。鬼はここぞと思うところを指先でなで、花のかくされた穴を見つける。この遊びでは、隠しおほして鬼を脅かす、早く見つけて鬼をやめるということより、土の中の花の美しさに興味がある。指先にコツンとあたるガラスの上の砂をのけると、お伽噺の世界、夢の凝縮がある。 この遊びは、夕暮れの静けさの中で女の子たちが好む遊びであった。二人いればできる遊びだが、一人でもできるので、私は一人でよくした。その心に流れるうら侘しさが思い出である。家へ帰る前に、美しい作品を一つ土の中に埋めておくこともあり、こんな時は心の中に秘密を持つ楽しさに似ている。 ある日暮れどき、私は林太郎とツルと三人でこの遊びをした。もうこれで終わりという時、私が鬼になった。ツルはいつも花をうまくあしらい美しいパノラマをつくる。私はそれを楽しみに探したが、見つからない。林太郎はにやにやして見ている。「お茶わかした」というと、「じゃあ明日さかしな」とツルが言う。 私は、その後も時々この埋められた世界を探した。しかしどうしても見つからなかった。これを林太郎に見つかり、ツルは「嘘いっただよ」と言われ、心に憑いたものが除かれるとともに、ツルへの幻滅も味わうのであった。
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