葬式
日暮れに
楡の森かげで、
まずしい葬式してた。
小さい、白い
棺には、
ラッパや絵本を入れて。
土饅頭の
ほとりには、
野薔薇やなんか撒いて
名まえが
横にきざまれた
小さい十字架を立てて。
そして、みんなで祈っていた。
- 小鳥よ、空から下りてこい。
- 光よ、ここまで射してこい。
- ここに、こどもがねむっている。
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「葬式」は南吉の東京外語学校(現・東京外語大学)時代、昭和9年の作である。
この作品は「葬式」という題名から連想される暗さをほとんどもっていない。静かだがどこか明るく華やいだものさえもっている。
この作品を読むと、ルネ・クレマン監督によるフランス映画「禁じられた遊び」を思い出す人もいるのではないか、と思う。戦火に追われ父母を失った少女が田舎の少年と村の水車小屋で禁じられた葬式ごっこをしようとする。南吉のこの美しい詩は、純度の高さによって汚れを知らぬ子どもたちの禁じられた遊びと響き合うものをもっているようだ。
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