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| 和太郎さんと牛
和太郎さんのお嫁さんは、お母さんの眼が気持ち悪いと、ごはんのとき横を向いているので、お母さんは気がねして奉公に出ると家を出て行きました。和太郎さんは、母をよそへやってもよいものかとつれもどし、お嫁さんを里帰りさせ、そのまま離縁してしまいました。そして和太郎さんは、お嫁さんはいらないが子どもは欲しいと考えるようになりました。 あるとき、滓のつまった酒樽を隣村の酒屋から街の酢屋へ届けることになったのですが、これを坂道でこぼしてしまいました。和太郎さんは、一生に一度の恩返しだとこれを牛になめさせました。そして今日だけは自分はお酒を飲むまいと思いました。ですが帰り道、一本松の茶屋の前を通るときに、つい飲んでしまいました。この日は牛と牛曳きが酔ってしまったのです。 夜がふけても家に帰らないので、村をあげての探索です。皆は鳴り物をもって、夜っぴけて(一晩中)山の中を探しましたが見つかりません。つかれて村へ帰って道端に座っていると、ひょっこり牛車がやってきました。和太郎さんの牛車です。 和太郎さんは覚えていませんでしたが、池の中を通ったり六貫山の狐の胡弓を聞いたりしたようでした。その上牛車には花束と赤ん坊が入った籠がのっていました。和太郎さんは、日頃ほしかった子が天から授かったと、和助と名づけて大切に育てたといいます。
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